スコットランド:NC500

世界の美しいロードトリップの一つ、スコットランド屈指の美しい海岸線、カーブが続く山道、小さな町と町を繋ぐ曲がりくねった道、そして歴史的スポットを巡るドライブルート、ノースコースト500(NC500)。

7日間の日程であれば、スコットランドの大自然や歴史を無理なく満喫できる理想的なロードトリップになります。見どころがドラマチックに展開していく「反時計回り」の王道プランをご紹介します。

1日目:インバネス 〜 ドルノー(約70km)

1日目は、インバネスを出発し黒島(Black Isle)を経由して北上します。

インバネス (Inverness)

スコットランド北部ハイランド地方の中心都市です。美しいネス川の河口に位置し、歴史あるインヴァネス城や街並みが広がります。「ハイランドの首都」とも呼ばれ、スコットランド屈指の絶景を巡る人気ドライブコース「ノースコースト500」の起点および終点としても有名です。

シャノンリー・ポイント (Chanonry Point)

インヴァネス近郊のブラックアイル半島にある英国屈指の野生イルカ観測スポットです。マレー湾に突き出た岬には歴史ある灯台が立ち、満潮時には間近でミナミハンドウイルカが跳ねる姿を陸上から見られることで知られる、絶景が広がるネイチャー観光の人気名所です

グレンモーレンジィ蒸留所(Glenmorangie distillery)

1843年創業のハイランドを代表するウイスキー蒸留所です。スコットランドで最も背の高いポットスチル(蒸留器)を使用し華やかでフルーティーな原酒を生み出します。また、異なる樽で追加熟成を行う「樽のパイオニア」としても世界的に有名です。

ドルノー(Durnoch)

スコットランド北東部にある歴史ある美しい海辺の町です。世界中のゴルファーが憧れる世界屈指の名門「ロイヤル・ドーノック・ゴルフ・クラブ」の聖地として有名です。街には13世紀建立の大聖堂や城が残り、金色の美しいビーチが広がるなど、ハイランド地方屈指の格調高いリゾート地として愛されています。

宿泊地: ドルノー(Durnoch)付近

2日目:ドルノー 〜 ウィック(約100km)

スコットランド東海岸の断崖絶壁に沿って北上します。

ダンロービン城 (Dunrobin Castle)

ハイランド地方北部にあるサザーランド伯爵家の由緒ある居城です。1300年代初頭から現代まで人が住み続けている英国最古級の邸宅の一つで、フランスの古城を思わせる尖塔が連なるおとぎ話のような美しい外観が魅力です。北海を見下ろすフランス風の広大な庭園も有名です。

ウィック (Wick)

かつてニシン漁の拠点で栄えた港町です。「ノースコースト500」の主要な街の一つで、世界一短い通り「エベネザー・プレイス」があることで有名です。近郊には崖に佇む古い城跡「キャッスル・シンクレア・ギルニゴー」があり、駐車場からは徒歩10分ほどです。

宿泊地: ウィック(Wick)付近

3日目:ウィック 〜 ダーネス(約140km)

グレート・ブリテン島の最北端エリアを横断するドライブします。

ダンカンズビー・スタックス(Duncansby Stacks)

ダンカズビー岬(Duncansby Head)の近くにある海から鋭く突き出たピラミッド型の巨大な海食柱で、スコットランド屈指の絶景スポットの一つです。手前には「サール・ドア(Thirle Door)」と呼ばれる見事な岩石アーチも架かっています。ダンカズビー岬の灯台にある無料駐車場から1.6kmほど徒歩でのアクセスになります。

ジョン・オ・グローツ(John o' Groats)

スコットランド本土の北東端に位置する象徴的な村です。英国本土の「最南西端(ランズ・エンド)」から「最北東端」までの縦断旅の起点・終点として知られ、有名な方向指示標識(サインポスト)が街のシンボルです。野生のアザラシや海鳥が見られる大自然に囲まれた、「地の果て」の旅情を味わえる名所です。

スムー・ケーブ(Smoo Cave)

淡水と海水の両方の浸食によって形成されたユニークで巨大な天然の海食洞です。内部には迫力満点の滝が流れ落ちており、木製の遊歩道から手軽に見学できます。さらに、ボートに乗ってライトアップされた洞窟の奥深くを探索する有料ツアーも人気です。

ダーネス(Durness)

スコットランド本土の北西端に位置する大自然に囲まれた美しい村です。「ノースコースト500」のハイライトの一つで、前述の「スムー洞窟」の他、白い砂浜とエメラルドグリーンの海が広がる「バルナケイルビーチ」があり、最果ての絶景を体感できる名所です。

宿泊地:ダーネス(Durness)付近

4日目:ダーネス 〜 ウラプール(約110km)

地質学的に貴重な山々が連なる、西海岸のハイライトへと向かいます。

カイルスク橋(Kylesku)橋

コンクリート製の美しい曲線美を持つ橋で、1984年に開通し、それまでのフェリーに代わって不便だった南北の交通を劇的に改善しました。険しい山々や入り江の壮大な大自然に溶け込む優美なデザインは建築的評価も高く、ルート屈指のフォトスポットとして絶大な人気を誇ります。

アックメルヴィッチ・ビーチ(Achmelvich Beach)

白砂とターコイズブルーの海が美しい極上ビーチです。スコットランド屈指の透明度を誇り、まるで地中海の島のような南国風の絶景が広がります。マリンスポーツが盛んで、周辺の険しい岩山との対比が美しい、ハイランドを代表する隠れ家リゾートです。

アードレック城(Ardvreck Castle)

サザーランド地方のアシント湖畔に佇む17世紀の城跡です。1597年頃に建設されたこの城は、湖に突き出た岩場の上に建てられており、ボートや堤道(連絡道路)を使って渡ることができます。「ノース・コースト500」のランドマークの一つとして知られ、城跡からは湖越しに周囲の美しい山々を一望できます。

ウラプール(Ullapool)

18世紀にニシン漁の拠点として築かれ、白壁の家々が並ぶ美しい街並みが広がります。天然の良港である港は、現在も漁業の中心地で、大西洋の冷たく澄んだ海で獲れた一級品の新鮮なシーフードが味わえます。

宿泊地: ウラプール(Ullapool)

5日目:ウラプール 〜 ガイルロック(約90km)

複雑に入り組んだフィヨルドのような湾を眺めながら南下します。

コリーズハロック大峡谷(Corrieshalloch Gorge)

最大の見どころは深さ60mの谷底へ一気に流れ落ちる「メザックの滝」です。谷に架かるスリリングな吊り橋(サスペンションブリッジ)や展望台から、荒々しい奇岩と豊かな森が織りなす大迫力の絶景を一望できます。

インヴェリュー庭園(Inverewe Garden)

スコットランド屈指の高緯度にありながら、北大西洋海流(暖流)のおかげで冬も温暖なため、世界中から集まった珍しい外来植物や極彩色の花々が咲き誇る奇跡の亜熱帯風植物園です。

ガイルロック(Gairloch)

スコットランド・ハイランド地方北西部の海岸線に位置する夕陽の美しい村です。村の名前と同じガイルロックと呼ばれる細長い入り江のほとりにあり、豊かな大自然に囲まれています。美しい砂浜やハイキング、野生動物の観察、ゴルフなどのアウトドア活動の拠点として、夏を中心に多くの観光客で賑わう人気の高いスポットです。

宿泊地: ガイルロック(Gairloch)

6日目:ガイルロック 〜 アップルクロス(約100km)

ルート最大のハイライトであり、最もエキサイティングな峠越えです。

マリー湖(Loch Maree)

ハイランド地方で最も美しいと言われる湖です。湖内には多くの島々が点在しており、その一部には古代のオーク林や希少な野生動物の生態系が手つかずのまま残されています。周囲を壮大な山々に囲まれた絶景が広がり、ハイキングや釣りの名所として非常に人気があります。

シールダイク(Shieldaig)付近

シーダイグからアップルクロスへ続く海岸沿いの道路は、羊やハイランド牛などの放牧されている動物たちとも出会うことができるノースコースト500の景勝地の一つです。運転にはご注意ください。

ハイランド牛について

スコットランド原産のハイランド牛は、世界最古級の歴史を持つ頑丈な肉用牛です。 最大の特徴は、厳しい寒さや風雨から身を守るための、全身を覆うもさもさとした二重構造の長い毛並みです。目を隠すほどユニークな前髪と、1メートルに達する大きく曲がった角を持ち、穏やかで人懐っこい性格をしています

宿泊地: アップルクロス(Applecross)付近 峠を越えた先にある孤高の村。地元のパブでの夕食がおすすめ

7日目:アップルクロス 〜 インバネス(約130km)

旅の締めくくり。徐々に道が広くなり、ハイランドの首都インバネスへ戻ります。

ベラック・ナ・バー(Bealach na Bà)

イギリス屈指の険しさを誇る歴史的な山岳道路(峠道)です。海抜ゼロから一気に標高626メートルまで駆け上がるルートは、英国最高の高低差と最大20%の急勾配、そしてアルプス山脈を彷彿とさせる激しいヘアピンカーブが続くことで有名です。素晴らしい景色ですが、狭い道幅と急カーブが続きますので上りも下りもギアを低く(1速~2速)保ち、エンジンブレーキをフル活用してお進みください。

ロガリー・フォールズ(Rogie Falls)

美しい滝と豊かな森が魅力の景勝地です。川に架かる吊り橋からは、激しく流れ落ちる滝の迫力ある姿を間近で鑑賞できます。また、毎年晩夏(8月~9月頃)になると、大西洋サケが産卵のために滝を跳ね上がって遡上する姿を見ることができます。駐車場から滝までは遊歩道が整備され、気軽にハイキングが楽しめるスポットです。

ゴール: インバネス到着・レンタカーを返却。

ドライブのポイント

マニュアル車(MT車)の注意点

欧州では今もMT車が一般的ですが、慣れていない場合は以下の点に注意が必要です。シフトノブの操作: 右ハンドルのため、シフトレバーは左手で操作します。ペダル配置は同じ: クラッチ、ブレーキ、アクセルの配置は日本(右ハンドル)と同じです。坂道発進の多発: ハイランド地方はアップダウンが激しく、特に難所「Bealach na Bà」では急勾配での坂道発進を何度も求められます。ハンドブレーキを使った坂道発進の感覚を取り戻しておきましょう。

オートマ車(AT車)の選択: 不安な場合は必ず「Automatic」でレンタカーを予約してください。直前の変更は在庫がないケースが多いため、数ヶ月前の早期予約が必須です。

スコットランド独特の交通ルールとポイント

1. ラウンドアバウト(環状交差点)

信号の代わりに、円形の交差点をぐるぐると回るシステムです。時計回り(右回り)に進入します。右側から来る車が絶対優先です。右側から車が来ていないタイミングで進入してください。出る時は左ウインカーを出して左折します。

2. シングル・トラック・ロード(単線道路)

NC500の北西部や西海岸に多い、車1台分の幅しかない道路です。数面メートルおきに「Passing Place」と呼ばれる退避所があります。

  • 左側の退避所: 自分の左側に退避所がある場合は、そこに入って対向車を待ちます。
  • 右側の退避所: 自分の右側に退避所がある場合は、そこに入らず、道路の左側に停止して、対向車が退避所を避けて通るのを待ちます(絶対に右側の退避所に入って車線を逆にしてはいけません)。
  • 後続車への配慮: 後ろにスピードの速い地元車が追いついてきたら、退避所に寄って先に行かせてあげるのがマナーです。

3. 動物の飛び出し

ハイランド地方は「ハイランド牛(毛が長く立派な角が特徴のスコットランドハイランド地方原産の牛)」や「シカ」、「羊」が道路上にじっと佇んでいることがよくあります。見かけたらスピードを十分に落としてください。